蔵前で百年続く「水木屋馬場商店」。銭湯や市場の職人が愛用する手作りカゴ
浅草にほど近い蔵前駅周辺は、約100年前に人形問屋が集まる「おもちゃの問屋街」として発展しました。そんな街で百年の歴史を誇る老舗が、職人による手作りカゴを扱う「水木屋馬場商店」です。ここでは、高品質な商品をお求めやすい価格で提供しており、ピクニックバスケットや化粧品入れ、様々な用途に使える実用的なカゴを見つけることができます。
過去から今へ。時代とともに歩む水木屋馬場商店

かつておもちゃの問屋街として栄えた蔵前。時代の変化に伴い、空き倉庫をリノベーションした個性的なホテルやカフェが増えていますが、水木屋馬場商店は今も変わらず、職人の手仕事が生み出すカゴの価値を守り続けています。
1900年(明治33年)に名古屋で創業したこの老舗は、日本の職人が手作業で作り上げる美しい工芸品を、東京などの大都市で販売していました。60年ほど前に現在の蔵前の場所に移転しましたが、職人の高齢化や後継者不足から、現在はアジア各国の職人にカゴの製作を委託しています。

4代目店主の馬場さんは、プラスチックなど便利な素材の登場でカゴの需要が減ったことから、個人客向けにも商品の販売を開始。問屋ならではの敷居の高さがないよう、価格や素材を明記し、誰もが気軽に立ち寄れる店づくりを心がけているのだそう。
銭湯や市場も愛用する、職人手作りのカゴ

一世紀にわたって築き上げてきた信頼から、水木屋馬場商店には様々な業界の常連客がいます。銭湯の店主がタオルを入れるカゴを買いに来たり、市場の魚屋さんや八百屋さんが生鮮食品用のカゴを求めたり。カレー店のシェフがナンを入れるカゴを選んだり、パン屋さんが焼きたてのパンをより美味しそうに見せるカゴを探しに来たりもするそうです。

クリスマスやバレンタインデーなどの特別な時期には、店内のレイアウトも工夫し、季節感を演出する色合いの商品が店頭に並びます。
多様な素材から生まれるカゴ
カゴの素材には、籐(とう)、竹、柳などが使われます。籐のカゴは軽くて丈夫で、型崩れしにくいのが特徴。竹のカゴは、上品な光沢があり、しなやかで形を保ちやすいのが魅力です。
近年、高まる環境意識から、こうした自然素材の美しさや温かみが再注目されています。

「森のエルメス、山のルイ・ヴィトン」とも称される「山ぶどう」は、一見すると植物の品種のように思えるかもしれません。

しかしこれは、入手困難な山ぶどうの蔓(つる)から作られたカゴバッグのことです。馬場さん曰く、「一生もの」として使えるほど丈夫で、湿気に強く、親からへと受け継ぐこともできるそうです。(価格:1万円~)
人気商品を紹介

籐製のメイクボックス(800円)は、散らかりがちなコスメ用品をまとめて収納できます。プラスチック製のポーチから移し替えるだけで、清潔感と整理された印象を与えてくれます。

籐製のピクニックバスケット(2,400円~)は、野外でのピクニックはもちろん、思い出の品をしまう収納ボックスとしても活躍します。

夏には、涼しげな印象を与える柳製のバッグ(1,100円~)がおすすめ。エコバッグ代わりに持ち歩くのもいいですね。
最後に
天然素材から作られたカゴは、一見すると「伝統」という言葉を連想させるかもしれません。しかし、古くから受け継がれる知恵や職人の手仕事の価値を再認識し、地球に優しい選択をすることは、現代の暮らしに新たな豊かさをもたらしてくれます。
浅草の近くを訪れた際は、ぜひ水木屋馬場商店に立ち寄って、長く愛用できるお気に入りのカゴを見つけてみてはいかがでしょうか。
あわせて読みたい
In cooperation with 水木屋馬場商店